社員全員参加型の新築プロジェクトで
各々の理想をカタチにする
大榮産業様は、米穀や大豆、でんぷん、醸造用原料、粉体調合物、酒類などの食品部門と、自動車ゴム樹脂製品などの化成品部門、さらに産業資材や金属部門、情報システム部門と、多岐にわたる事業を展開する総合商社です。
創業75年を迎えるにあたり、記念事業の一環としてオフィスの建て替えが決定しました。「とにかく古い」「増築を繰り返したことで不自然にスペースが区切られていて、配置したい人員数とスペースが合致していない」「什器などの無理な配置により窮屈」「執務スペースが狭い空間で分割されているため、部門間の交流が少ない」など、様々な課題が浮き彫りに。
丸天産業が4階建全フロアのコンセプト作成からレイアウト、空間デザインまでをトータルで請け負うこととなり、それに先立ち、全社員にオフィスの建て替えを、“自分ごと”として意識付けするために、社員と合同プロジェクトを結成。『DSK映え計画!私らしくあなたらしく大榮らしく』をコンセプトに掲げ、半年間にわたってワークショップを実施しました。全社員から希望者を募ってライブオフィスに出向き、イメージの擦り合わせなどを丁寧に行い、今回の新築の核となる“フリーアドレス”の導入に至りました。
最大の壁は、ハードよりもソフト。社員の働き方を変えるということでした。新社屋の建設=新しい働き方になります。そのイメージができていなかったり、フリーアドレスに抵抗のある社員が想像以上に多く、前向きに捉えてもらうためにもワークショップを行った意義は大きなものでした。竣工後は“誰かに自慢したくなる”社屋となり、コミュニケーションも格段に円滑に。業務効率の向上はもちろんですが、仕事へのモチベーションの変化が見られると好評です。「自分らしく楽しく働き、ワークライフバランスの実現を目指したい!」という思いに一歩近づきました。
お客様の声
老朽化した社屋は狭い、古い、使いにくい、書類が多く雑然、交流しにくい、など挙げればきりがないほど課題は山積でした。しかし、慣れてしまうと新しい働き方にシフトすることは難しく、フリーアドレスにする意味や、ワークスペースに対する考え方など、意識改革から始めなければならないと、ゼロから奔走しました。オフィス造りに伴って社内プロジェクトの立ち上げを行い、ワークショップの開催を提案するなど、実際にオフィスを使う社員の意見を積極的に取り入れる動きをしました。これをきっかけに部署を超えての仲間もできたようです。また、オフィス見学の計画から、ワークショップの進捗状況に応じた課題の擦り合わせに至るまで、丸天産業さんに柔軟かつ丁寧に寄り添ってもらえたことはとてもありがたかったです。
まずは明るく清潔感があり、使いやすくなったという意見が大多数で、その上で細部に関しては「モニターが使いやすい」「椅子が快適で長時間座っていても疲れない」「更衣室がキレイ!」「写真を友人に見せて自慢した」など、社員から多くの意見が寄せられています。
ご担当者様インタビュー
目指したのは、いつものコミュニケーションから
アイデアや仕事が生まれるオフィス

新オフィスが完成して、新たなオフィス環境になった今、改めてオフィス造りを主導してくださったお二人とコンセプトや設計、完成までの道のりを振り返りたいと思います。
オフィス造りはお二人に加えて、プロジェクトメンバーを社内から募り、取り組まれたと思いますが、どのように進行していったのでしょうか。
増井:私が設計士なこともあり、社屋の大枠の設計には携わりましたが、社内のオフィス造りについてはプロジェクトメンバーによるワークショップで決めていきました。
松井:オフィスを建て替えるにあたって、新しい試みである「フリーアドレスのオフィス造り」の知見が無かったため、丸天さんに相談したところから始まりましたね。
増井:ですね。もともと固定席で作業をしていたのですが、去年、社長の「今までの考えにとらわれず、オープンにコミュニケーションを取れるようにする」という考えから、フリーアドレスによるオフィス造りを進めていくことになりました。そこで、オフィス体験なども含めてフリーアドレスに慣れていき、様々な意見も出やすいワークショップを活用しようと思い、計画してもらったのが経緯です。
オフィス造りに携わるプロジェクトメンバーはどのように選抜されたのですか?
松井:営業職や事務職まで様々な考え方が活きるように、各部署から一人ないし二人を募りました。はじめは慣れていないこともあり、意見も出づらい印象でしたが、実際丸天さんから提案してもらったオフィス見学の効果もあり、新しいオフィスや働き方をイメージできるようになってからは、各々の意見を取り入れながら進められるようになりました。
新しいオフィスに変えていくにあたり、解消したい課題や狙いはありましたか?
松井:今までは、部署間でフロアが分かれていたこともあり、交流できる環境が少なく、部署間を横断するようなコミュニケーションがなかなか生まれないことが課題でした。
オフィス新設後は、社員同士が密にコミュニケーションを図ることによる、仕事での相乗効果も期待しています。
増井:設計の面では、フリーアドレスを活かすため、なるべく壁をつくらないオープンな職場になるよう、2・3階の執務スペースをそれぞれ1つの部屋になるように設計しました。
また、1階のロビーは、外装の雰囲気から入って違和感がないように外と中の「調和」を意識しました。
環境を変えるという試みは大変なこともあったのではないでしょうか。
増井:ありました。フリーアドレスを採用することにより、「今までの働き方」という固定概念を捨てることが一番大変でした。当たり前のように自分のデスクがあるという考え方は身に沁みついているものなので。
松井:でも今では、一人1台あった固定電話機がスマートフォンの貸与に変わり、書類が積まれていたデスクがフリーアドレスの社内ルールにより、帰社時にはキレイになっているところなど、新しい働き方の効果や習慣にも少しずつ慣れてきています。
ワークショップでは、「DSK映え計画」というコンセプトがありましたが、どういった想いが込められているのでしょうか。
松井:まずキーワードとしては、当社の略称である「DSK」を使うことが決まり、その後社員が「ワクワク」や「楽しい」と思えるオフィス環境につながる言葉として「映え計画」をつなげることになりました。
実際にコンセプトが決まれば、方向性も決まっていき、プロジェクトメンバーが参加したオフィス見学や、ワークショップも進めやすくなったと思います。
増井:コンセプトが明確にあったおかげで、ワークショップでは、実際に働く幅広い部署のメンバーが意見を出しながら、コンセプトに沿ってオフィスの机や椅子の色合いなどを細かく決めていくことができました。
最後に今後期待したい、会社の変化について教えてください。
増井:お話したとおり、以前のオフィスは仕事をする場所というイメージで、社員同士が交流を持てる場が少なかったので、これからは4階のスペースで気軽に交流を行うなど、コミュニケーションの場から新たなアイデアや仕事が生まれるようになればと思います。
松井:私は採用も担当しているのですが、オフィスが新しくなっただけでなく、フリーアドレスといった、新しい働き方についても「変革し続ける会社」としてアピールできると考えています。
ちょうど新オフィスになって数ヵ月経ちますので、社員にヒアリングを行い、次につなげていきたいと思います。
若手社員対談
未来を担う若手社員もオフィス造りに参加


臼井さん
明るくなった更衣室は特にお気に入りです。オフィスも使いやすくなったのでこの環境を活かしてより仕事を頑張っていきたいです!

松下さん
モニターをたくさん設置することによって、便利になり仕事効率が上がりました!働きやすい環境になったので、今後も皆さんの意見を取り入れながら改善していきたいです。

小海さん
長時間座っていても疲れにくい椅子の選定など、細かいところまでこだわることで仕事がしやすくなったと感じています。今後はフリーアドレス化による部署間のコミュニケーションを増やしていきたいです!
ワークショップの様子をご紹介!
オフィス造りを進めるにあたって、「DSK映え計画!私らしくあなたらしく大榮らしく」をワークショップのコンセプトに、計2回のワークショップが開かれました。メーカーのショールーム見学や参加メンバーでのディスカッション、理想の働き方や現状の課題の具現化を行い、それぞれが「自分らしく働けるオフィス」について考えました。
ワークショップのルール
- 否定しない(よく聴く、否定でなく代案を)
- 「難しい」「できない」と言わない
- 全員参加・忖度しない(遠慮しない、言うべきことを言う)
- 他の人のアイデアに乗っかる
- プラス思考
- 楽しく、笑顔で



ご担当者様お二人とプロジェクトメンバーの皆さんが積極的な姿勢で取り組んでいただいたからこそ実現したプロジェクトだと思います。会社にとっても、働き方を変える大きなチャレンジだったと思いますが、創業75周年を迎える記念事業としても記憶に残るプロジェクトだったのではないでしょうか。このたびは、一から伴走してお手伝いさせていただき、本当にありがとうございました!