フリーアドレスを取り入れ、
会話が飛び交う明るいオフィスに
自動車、家電製品、食器など身の回りの製品から、環境機器、宇宙航空、医療をはじめとする最先端の分野まであらゆる業界のニーズに応え続ける「特殊鋼」の専門商社、佐久間特殊鋼様。
リモートワークやWeb会議の増加といった新しい働き方にフィットするよう、オフィスの2階フロアを大きくリニューアルしました。
リニューアル前
執務室
固定席だったため、デスクの上に資料が散乱していたり、パソコンや電話の配線がむき出しになっていました。
オフィスが整理されておらず全体的に圧迫感がある点が課題でした。
備品庫
以前は備品庫があり、文具や掃除道具、採用関連の備品などを一箇所にまとめていました。
在庫を多く持ちすぎているものや使用頻度の低いものなどが雑然と置かれており、保管方法を見直す必要がありました。
プロジェクトメンバーによるスペシャル対談
若手3人で立ち上げたワーキングチームで、
仕組みやインフラを含めたリニューアルを牽引!
ワーキングチーム主導で進めた
オフィスリニューアルについて教えてください。
小杉:コロナ禍はリモートワークが中心だったものの、新型コロナウイルスが収束し出社が増えてくると、古いオフィスのため使い勝手の良くない部分や足りない面が気になるようになってきました。経営陣から「今回のリニューアルにあたっては若い力で引っ張ってほしい」と声をかけていただき、この3人でチームを立ち上げてプロジェクトを進めることになりました。
野澤:以前のオフィスにあった什器のほとんどが10年以上前のもので、一人ひとりの固定デスクがかなり圧迫感を与えていました。リモートワークが定着していたため、固定デスクを廃止してフリーアドレスにしようという案は早い段階からあがっていたと思います。
後藤:私はネットワークやシステムに関する業務を担当しているのですが、見た目の面でも安全面でも、あらゆる配線が床にむき出しになっている点が気になっていました。また、紙資料のデジタル化を進めたり個人の固定電話を携帯電話にしたりなど、社内インフラや仕組みの部分も併せて見直すことでより使いやすいオフィスにできたらと考えていました。
小杉:とはいえ、リニューアルにあたっては社員の皆さんの協力が欠かせません。そこで、プロジェクトを開始する前に「オフィス育成クエスト」と銘打って資料を作成し、このリニューアルプロジェクトの背景や実現したいことをしっかり理解してもらうところからスタートしました。
後藤:ある役員からの「プロジェクトの途中で悩んだときに立ち返れるものがあると良い」というアドバイスを受けて内容を洗い出していったのですが、自分たちが実現したいオフィスに改めて向き合う良い機会になりました。「オフィスリニューアルプロジェクト」ではつまらないなと思い「オフィス育成クエスト」というネーミングにしたのですが、これは若手だからこその発想だったと自負しています(笑)。
小杉:会長からも「周囲の意見や他社のオフィスを参考にしながら最適なリニューアルにしてほしい」と要望をいただいていましたので、まずはヒアリングで社員の意見を集め、重要度や実現可能性で比較しながら優先順位を決めていきました。
後藤:例えばただ一方的に「フリーアドレスだから固定電話をなくします」と言うのではなくて、固定電話をよく使用していた部署から実情をうかがって、携帯電話に変えた場合の運用方法を一緒に考えたりいろいろな方のお話を聞いたりして、お互いに歩み寄りながら進めていきました。
野澤:丸天産業さんを通じていろいろな企業のオフィスを見学させていただいた経験もものすごく役立ちました。最新のオフィス家具を体験できて大きな刺激を受けましたし、フリーアドレスや個別ブースの運用方法について、実際に使われている社員の皆さんの声を聞くことができてとても参考になりました。
小杉:わからないことだらけだったので、丸天産業さんには毎日のようにさまざまな質問をしていました(笑)。デザインや細かな仕様の修正・確認にも何度もご対応いただき、おかげですごく素敵なオフィスになりました。
野澤:難しかったのは費用感ですね。自分たちの希望をすべて反映した場合の相場がわからなくて、見積もりをいただいたときにびっくりしてしまいました。それからはもっと取捨選択し、若手社員の自分たちが「なぜこれを選んだのか」をしっかり説明することで、社内決裁をいただくことができました。
後藤:佐久間特殊鋼は、ボトムアップ型の提案が好まれる会社です。こういった社内プロジェクトでは費用対効果を正確に算出するのは難しいと思うのですが、大きなお金が動くプロジェクトを若手に任せてくれる企業風土は弊社の魅力だと感じています。
新しいオフィスへの反応はどうでしょうか。
後藤:役員の方が「本社をリニューアルしましたよ」と社内掲示板でアピールしてくれて、他の支店から「かっこいい」「おしゃれ」「ここで仕事したい」など、ポジティブな感想が届いています。現在もリモートワークを選べるのですが、リニューアル後は出社率がアップしたので「皆さん気に入ってくれているんだな」と嬉しく思っています。
小杉:収納を大きく減らしたのでデジタル化を行い多くの書類を破棄したのですが、検索性が増しましたし、仕事のしやすさも向上したと聞いています。紙の書類がなくなることに心配の声もあったものの、少し強制的に進めて良かったと実感しています(笑)。
野澤:以前よりも部署をまたいだコミュニケーションがしやすくなりました。フリーアドレスなので、毎日新鮮な気持ちが味わえるとの声も耳にしています。
小杉:機能的な部分で言うと、「サウンドマスキング」が好評です。ホワイトノイズをわざと流すことで会話漏れを遮断するシステムなのですが、デスクワークのときも集中しやすいですし、Web会議の内容が筒抜けになることもありません。
野澤:柱を囲むように造っていただいた造作テーブルが「集中しやすい」と人気です。柱にはディスプレイを設置して、出社しているメンバーがひと目でわかるようになっています。以前まではただの邪魔な柱にこんな活用法があったなんて!と驚いています。
後藤:せっかくディスプレイを設けたので、社内のニュースやお知らせを表示してもおもしろいのではと思っています。また、会社の最寄り駅が名鉄なので、名鉄の運行情報を流したいです(笑)。
小杉:それはすごく需要ありそう(笑)!
本プロジェクトに点数をつけるなら何点ですか?
野澤:自分で点数をつけるのは気が引けますが、100点かなあ。
小杉:私はもう、自信を持って120点で(笑)。
後藤:このプロジェクト名が「オフィス育成クエスト」なので、ここからまだ育つ伸びしろがあるぞ!という気持ちをこめて、98点…!ひとまずハード面は完成したけれども、ここで働く皆さんと一緒に100点120点を目指したいです。
小杉:確かに、仕組みやソフトの面からもさらに使い心地のよさを追求したいですね。今回のリニューアルで今の時代にはフィットするオフィスができたけれど、何年後もこれが正解かはわからないし、常にアップデートを続けることが重要だと思います。
後藤:本プロジェクトの成功を受けて他の支店もリニューアルしようという話もあるようなのですが、もしまた私たちに声をかけていただけるのであれば、アドバイザー的な立場で関わることができたら理想ですね。やはり、実際にそこで働く人たちが主体となって進めるほうが素敵なオフィスになるはずなので。私たちよりさらに若い世代が熱意を持って取り組んでくれたらすごく嬉しいですし、それができる会社だと思っています。