「フリクションボールペン」
を使ったことはありますか?
フリクションが販売されるまで、ボールペンを消す「砂消し」はあったものの、フリクションほどスッキリ綺麗に消せるものはありませんでした。
フリクションを手にし、「すごい!ボールペンが消せる!」と感動し驚きを覚えた方は多いのではないでしょうか。実はこの構想が生まれたのは実に50年も前のこと。その開発の歴史と研究者の情熱を、ご紹介します。

フリクションボールペンを開発したのはパイロットコーポレーション

フリクションボールペンを開発し、世に生み出したのは「パイロットコーポレーション」。
ボールペン本体にある、

このロゴが目印です。
きっとかなりたくさんの方が見たことがあるこのロゴ、見たことはあるけど意識していなかった・・・!という方も多いかもしれません。
たくさんのフリクションボールペンが販売されていますが、フリクションが一般的になる、その前に、フリクションに並々ならぬ情熱を注ぎ開発した企業がこのロゴの企業です。
企業の正式商号は「株式会社パイロットコーポレーション」といいます。

G7広島サミット「サミットバッグ」に採用

2023年5月19日より開催されたG7広島サミットにて、G7各国代表団及びプレス関係者に配布される記念品「サミットバッグ」内のグッズとして、株式会社パイロットコーポレーションの消せるボールペン『フリクションボールノック05 バイオマスプラスチック』も選定され、栄えある記念品の1つとして配布されました。
『フリクションボールノック05 バイオマスプラスチック』は、

摩擦熱で筆跡を消去できるボールペン「フリクションボールノック05」をベースとし、とうもろこしや小麦などの穀物を原料にした「バイオマスプラスチック」をボディの後軸に使用したペンです。
日本の魅力が伝わるものや、環境に配慮されているものとしても高い評価をいただいた瞬間です。

フリクションとは?

「フリクション」とは、2006年、日本に先駆けてヨーロッパで発売された消せるボールペンのシリーズです。摩擦を意味するフリクション(friction)と革新性や力強さを象徴する「X」による造語から、「FRIXION BALL(フリクションボール)」と名づけられました。
誕生以来、新たなアイテムも生み出し続け、筆記具市場に「消せるペン」という新カテゴリーを確立していますが、その先駆けとなったボールペンがフリクションボールです。現在、世界100以上の国と地域で販売され、累計販売本数は44億本を突破(2023年末時点)しています。

実に30年以上かかって生み出された「フリクション」開発秘話

なぜ誕生したのか?
ワクワクは開発につながるーとある研究者の探求

1970年秋、常に新しいインキの研究開発テーマを求めてアンテナを張りめぐらせていたパイロットの研究者が、秋の渓谷で見事な紅葉を目にした瞬間、

研究者

一夜にして色が変わる紅葉のような色の変化を、試験管の中でも実現したい

という強い思いに駆られたそうです。
温度や湿度、紫外線、光などさまざまな要因のうち、何が色の変化をもたらすことができるのか?
日々研究を重ね、着想から1年ほど経った頃、基本原理を発見し、その原理に基づいた世界初の「温度の変化で色が変わるインキ」が誕生しました。

「色が変わらないことを是」とする時代に、「温度の変化で色が変わるインキ」を開発しようというチャレンジ

研究者のインスピレーションから「温度の変化で色が変わるインキ」の研究がはじまったのは実に現在より50年以上も前1970年。フリクションシリーズ最大の特徴は、温度で色が変わる特殊なインキが使われていることですがこの1970年当時、筆記具のインキに求められる性能は、

1970年当時、筆記具インキの常識

「光や温度の影響を受けても、半永久的に色が変わらないこと」

なので当初印刷用インキとして考えられていた!

だったそうです。
「色が変わらないことを是」とする時代に、「温度の変化で色が変わるインキ」を開発しようということが、いかに常識を大きく覆す発想であったか想像できるでしょうか。
研究しようにも過去の研究実績はおろか、ヒントとなるような学術資料も当然ない中での開発です。
そうしてできた世界初の「温度の変化で色が変わるインキ」メタモカラーで当初つくられたのが玩具「魔法のコップ」。冷水を入れると色が変わる紙コップでした。開発開始から5年、1975年のことでした。

何も入れていない状態はこのカップだけど・・・

冷水を入れることで・・・

冷水を入れると色が変わる!

かく、がスキより引用 冷水を入れると色が変わる紙コップ「魔法のコップ」

当初、筆記具のインクとしての着想はなかった?!

「温度の変化で色が変わるインキ」メタモカラーからさらなる展開を目指し、解決したい課題をクリアしていくことで、色が変化した状態を維持することができる「メモリータイプ」の開発にも成功し、メタモカラー開発の可能性は大きく広がりました。国内外の企業からの要望に対して技術提供で応えることで、技術力がさらに高まっていきました。

1984年 ロス五輪の入場チケット偽造防止
1985年 温度の変化で色が変わる玩具「メルちゃんまほうのフライDEこんがり」発売
1988年 約15℃まで温度変化の幅をコントロールする技術の実用化に成功し
      メモリータイプのメタモインキを新開発
1992年 おふろすきすきメルちゃん

多くのアイテムに展開されたメタモカラーも2000年頃まではまだ、「色が変わるインキ」を筆記具に応用しようとは考えられていなかったそうです。

なせ?①筆記用具の常識

「一度書いた筆跡は、何年経っても色が変わらないことが良い」

1970年当時の筆記具インキの常識と同じです

なぜ?②インキの性質

インキの色素であるマイクロカプセルが大きすぎた

ボールペンのインキとして使用するためには、ペン先の微細な隙間からインキがスムーズに流れ出なければならない。
一般的なボールペンインキの粒子は直径0.1~1.0ミクロン。開発当初のメタモカラーは直径10~15ミクロン。筆記具のインキとして使えるサイズではなかった。

このような要因もあり、筆記具のインキと「色が変わるインキ」が結びつくことはありませんでした。

2001年、ついにメタモカラー開発当初直径10~15ミクロンであったマイクロカプセル粒子を、ボールペンインキとして使用できる2〜3ミクロンという超微細化に成功

1970年のインスピレーションから30年、さまざまな領域での実用化によって、メタモカラーはひとつの事業として確立されていきました。筆記具のインキとして着想がなかったところから、チャレンジを繰り返し、2001年、ついにメタモカラーのマイクロカプセル粒子を、ボールペンインキとして使用できる2〜3ミクロンという超微細化に成功しました。
気温差で色が変化してしまうという越えるべき壁はまだ残っていましたが、2002年、メタモカラーの技術を利用した初の筆記具、キャップについた専用ラバーでこすると色が変わる不思議なボールペン「イリュージョン」が発売されました。専用ラバーでこすると摩擦熱で黒から別の色に変わるデコレーション用のペンとしての実験的な発売だったそうです。

かく、がスキより引用 キャップについた専用ラバーでこすると色が変わる不思議なボールペン「イリュージョン」

フリクションを生み出したインスピレーション
カラー・トゥ・カラー(色が変わる)ではなく、カラー・トゥ・カラーレス(色を透明にする)

2002年に発売した、こすると色が変わるボールペン「イリュージョン」を目にしたパイロットのヨーロッパ会社のマーケティング担当者が、メタモカラー開発責任者に発した一言がきっかけとなり、メタモカラーを使った「摩擦熱で消せるボールペン」商品化へ向けて、大きく動き出しました。
その一言とは

ヨーロッパの担当者

 「『イリュージョン』のようにカラー・トゥ・カラー(色が変わる)ではなく、カラー・トゥ・カラーレス(色を透明にする)のボールペンはできないのか?」

というもの。

ヨーロッパの担当者

「色を透明にできるなら、それはつまり筆跡を消せるということだ。『消せるボールペン』をつくれば必ず売れる商品になるだろう」

この確信が、フリクションの開発へと繋がりました。

背景にあった、ヨーロッパ独自の筆記文化とは?
日本と諸外国では筆記用具のイメージが違う!

ヨーロッパでは、日本のように学習時に鉛筆を使う習慣がなく、鉛筆やシャープペンシルは絵を描くときの画材のひとつと考えられていたそうです。
特にフランスではかつてすべての小学校で万年筆の使用が義務化されていたりと、学習時に万年筆やボールペンなどインキのペンを使う文化が浸透しており、ヨーロッパの子どもたちは「書いて消してまた書く」のに少なくとも3本のペンを使わなければならない、という筆記文化の中で学習を行っていました。
だからこそ、「消せるボールペン」がヨーロッパの学校教育の光景を変える!という確信を持ったのです。

ヨーロッパでの先行発売が決まった「フリクションボール」

ヨーロッパでの先行発売が決まった「フリクションボール」は、若者の間で流行していたタトゥー柄がボディのデザインに採用されました。サッカー人気の高いヨーロッパの選手のタトゥーは子どもたちにとって憧れのモチーフだったからです。
2006年に満を持してヨーロッパでデビューした、1本できれいに書き消しできる「フリクションボール」は大きな反響を呼び、大ヒット商品となりました。

かく、がスキより引用 ヨーロッパで発売されたフリクションボール

ヨーロッパでのヒットを受け、翌2007年に日本での発売が決定

日本での販売にあたって見直されたのは、「誰に使ってもらうのか」ということでした。ヨーロッパとは異なり日頃からボールペンを使うことが多いビジネスパーソンへ向けた商品として発売したところ予定の3倍近く売り上げる記録を打ち立てることとなりました。
進化を遂げていく「フリクション」のはじまりです。
0.7mmで発売されたペン先から、さらなる技術改良が必要な0.5mmのペン先へ。キャップのないノック式を実現するに、常に空気に触れていても乾かず、品質を保持できるインキとペン先の開発を。もともと粒子が大きなフリクションから試行錯誤を重ねたことで3色ボールペン「フリクションボール3」の実現も可能になり、フリクションシリーズは普段使いのペンとして一気に市場に浸透していきました。

かく、がスキより引用 進化していくフリクションボールペン

環境にも配慮し皆様へ

ボールペンの環境配慮ノベルティ 
バイオマスプラスチック 

油性ボールペン(バイオマス・オーシャン)

オススメ新商品

フリクションボールノックゾーン

より濃い筆跡が叶うフリクション。少し重さのある本体も、書き心地を演出してくれる高級志向の方におすすめなペン。

フリクションシナジーノック04

細くなめらかな書き心地。なんと0.3㎜のペン先も開発されました。細く美しい筆跡を叶えながら書き直せるペン。

フリクションWaai

おしゃれにちゃんと書ける。油性のようににじみにくく水性インクのような書き心地、でもちゃんと消えるペン。

フリクションシリーズ全種 
お名入れ無料キャンペーン

なんと!フリクションシリーズ全種の、お名入れ無料キャンペーンがはじまりました。

  • 500本以上でパッド1色印刷の版代・印刷代無料!
  • 企業PR、粗品、記念品などにぜひ!
  • 期間:12/17メルマガ配信から、3月中納品分まで

※新規ノベルティ案件に限ります
※詳細は丸天産業担当営業までご相談ください

おわりに

フリクションの開発秘話はいかがでしたでしょうか。
膨大な開発の経緯と情熱はまだまだたくさんあります。色が変わる温度の発見から温度差が何度あったらよいのか?研究に研究を重ねた様子も掲載したかったのですがこのコラムに入り切りませんでした。。
とっても面白いのでぜひ、「かく、がスキ」を読んでみてください。より詳しく誕生秘話を読むことができます。
さて、弊社でも商品展示会をおこなっていただきました。

やはり、書き心地は書いてみないと!ということで試し書きをしたところ、筆者が一番お気に入りになったのはフリクションシナジーノック04の、0.3㎜!
細いペン先が大好き(字が綺麗にみえるから)なので、ものすごくゲットしたかったのですが、黒は大人気で早々に売り切れてしまいました・・・・・(残念)
みなさまの好きなペンはどのタイプでしょうか。
フリクションの開発秘話を知った後だと、こんなに歴史があり試行錯誤をしていたとは、畏れ多くてなんだか震えてしまいますが、その歴史を知った上で愛着を持ちペンを手に携えるのも、物語の一部のようで楽しく毎日の喜びが増えそうだ、とフリクションを眺めながらニコニコしているところです。
ノベルティやご要望などございましたら弊社へお問い合わせください♪
あなたのこれからの人生のお供に、進化しつづけるフリクションをどうぞ^^